妊娠中のインプラント

インプラントの埋め込み・2次手術・型取りなど色々なステップがありますが、一般的にはインプラントの埋め込み手術の時期と妊娠の時期に考慮が必要です。

妊娠初期(1~4ヵ月)

妊婦の精神状態が
やや不安定になっていることが多く、過度の緊張、お痛み、恐怖感などから不快症状の増加や流産の可能性を招く心配があるため、この時期には行わないほうが賢明です。

妊娠安定期(5~7ヶ月)

骨移植などを伴う大規模な手術でなければ可能です。

妊娠後期(8ヶ月~)

この時期は全血液の20%弱が子宮に集中するため、過度の緊張、お痛み、恐怖感から貧血を起こしたり、早産の可能性を招くためこの時期には行いません。

この他にもインプラントは手術を伴うため、麻酔、レントゲン撮影、抗生剤・鎮痛剤の内服といった妊婦に対して配慮しながら進めていきます。

◆麻酔剤の影響

歯科全般で使用するリドカイン(キシロカイン)という薬剤を使用します。

麻酔薬自体は胎盤通過性を有していますが、
無痛分娩に使われる量より遥かに少ないため胎児への影響はほとんどありません。
フェリプレシンという血管収縮剤を含む麻酔薬(シタネストなど)は分娩促進作用があるため、
妊婦には使用しません。

◆レントゲンの影響

レントゲンが胎児に及ぼす影響は催奇形性、発育遅延、遺伝的影響などがあります。

しかし、歯科で使用するレントゲン線量はこれらの障害を引き起こす量よりも遥かに少ないため問題はないとされています。
しかしながら影響はゼロとは言い切れませんので、
レントゲンの散乱線を防ぐ防護エプロンの着用や、
撮影回数を最小限にすることが必要です。

◆抗生物質・鎮痛剤の影響

抗生物質で催奇形性、胎児障害の強い可能性がある薬剤としては、
テトラサイクリン系、クロラムフェニコール系、ニューキノロン系、サルファ剤が挙げられます。
妊娠中は肝機能・腎機能が低下するため、
腎排泄性のセフェム系やペニシリン系の抗生剤を使用します。
これらの薬剤は胎児・乳児への影響が少ないため、インプラントでも使用します。
鎮痛剤は、通常歯科で出すものはロキソニンやボルタレンといった酸性非ステロイド性解熱性鎮痛薬です。
しかし、これらの薬剤は妊娠末期では胎児の動脈を収縮させてしまうため使用せず、
胎児に影響の極めて少ない非ピリン系のアセトアミノフェン(カロナール)を使用します。
授乳中の方にも同様の抗生物質を処方いたしますが、
内服中は授乳を中止し、人工乳に代えていいただくのがより安全と思われます。

以上、妊娠・授乳に関しまして記述しました。

ご自身の状態にご不安があれば、インプラント担当医が産科・小児科の主治医あてに
「インプラント診療を行っても差支えがないか」確認する旨
の紹介状を書いていただけると思いますので、安心して行われます。

私の場合、手術を受けられるんでしょうか?と思われている方は、無料相談をお申し込み下さい。


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