用語集

あ行か行さ行た行は行ま行英字

あ行

・アバットメント

 インプラントは歯根にあたる「フィクスチャー(インプラント体)」と歯冠にあたる上部構造からなっていますが、アバットメントはインプラント体に上部構造を固定するための支台装置のこと。アバットメントによりインプラント体と上部構造は連結する。

・アパタイト

 アパタイトはリン酸カルシウムの一種。歯や骨などの無機質の主成分を占めるのはハイドロキシアパタイト。

・インプラント

 失った歯の替わりとなる人工物を埋入すること。フィクスチャーと呼ばれる人工歯根を失った歯の部位のあごの骨に埋入し、その上に人工歯を装着する。チタン製のインプラントがあごの骨と強固に結合するので自分の歯のように噛むことができる。これまでの義歯による治療法とはこの点で大きな違いがある。

・インプラント体

 あごの骨の中に埋める部分。天然の歯の歯根の部分に当たる。フィクスチャーともいう。

・オッセオインテグレーション

 生きている骨組織とインプラントが光学顕微鏡レベルで結合すること。骨を表すラテン語のオス(os)と、結合を表す英語のインテグレーション(integration)が組み合わされて出来た言葉。現在のインプラントはこの骨結合型インプラント(オッセオインテグレーション・インプラント)が主流。チタン製の人工歯根が骨と強固に結合するので天然の歯と変わらない噛み心地を得ることができる。

・オトガイ

 下あごの正面部分。自家骨移植の際はこの部位から骨をカットして移植することがある。

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か行

・仮骨延長(かこつえんちょう)

 骨移植および骨補填材などを用いることなく、専用の器具を用いて垂直的に骨を増生(延長)させる方法。

・仮歯(かりば)

 正式な人工歯が入るまで、仮につけておくプラスチックの歯。テック(TEK)ともいう。

・顎関節症(がくかんせつしょう)

 あごの開閉の際、顎関節や咀嚼筋が痛んだり、雑音がしたり、重症になると口を大きく開けられなくなったりするなど顎運動異常などを主な症状とする慢性疾患群の総括的な診断名。悪い噛み合わせやくいしばりや歯ぎしり、ストレスなど複数の原因が積み重なって発症するといわれている。

・局所麻酔(きょくしょますい)

 局部麻酔ともいう。手術などの際、局所(身体の一部)の知覚を消失、または鈍麻させる。歯科治療においては、歯茎に麻酔をして治療を行うことがあるが、これが局所麻酔である。

・義歯(ぎし)

 入れ歯のこと。残存歯がある場合の局部義歯(部分入れ歯)と、すべての歯がない場合の総義歯がある。デンチャーともいう。

・クラウン

 虫歯治療などで歯を大きく削ったときに用いられる金属やセラミックの被せ物。多くの種類があり、歯の種類や欠損の部位、患者の希望などにより使い分けられる。

・クラスプ

 入れ歯の留め金。隣り合った歯に引っかけて入れ歯を安定させるもの。

・口腔外科(こうくうげか)

 齲蝕や歯周疾患を除く顎口腔領域の外科処置を中心として、その疾病全般を扱う診療科のこと。口腔外科医のほとんどが歯科医師である。咬合など歯科と密接に関わっている部分が多いためである。

・骨移植(こついしょく)

 インプラントにおいては、埋入部分の骨が不足している場合、骨の量を増大させる方法として行われる。移植する骨は自家骨や骨補填材が使用され、自家骨移植の際は下顎枝部・オトガイ部、上下顎臼後部等から採取される。別名ボーン・グラフト。

・骨造成(こつぞうせい)

 インプラント埋入部分の骨が不足している場合、その部位の骨を増やすこと。従来から行われている骨造成の方法としては、骨の自家骨移植、GBR法などがある。

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さ行

・再生療法(さいせいりょうほう)

 失われた体の一部を人工材料や自己の細胞や組織を再生させることに よって元通りにする医療(歯科医療)の総称。別名ティッシュー・エンジ ニアリング。自己の細胞を再生させることで拒絶反応のない移植治療が 可能になるほか、細胞を保存しておけば繰り返し治療に使うことができ るなどのメリットがある。歯科においては歯周組織の再生治療のほか、 培養粘膜、培養骨などがあり、その応用に期待が高い。

・サイナスリフト

 上顎洞底挙上術のこと。上顎と上顎洞の間に、インプラントを埋入す るための骨の量が不足している場合に、移植骨や骨補填材によって上顎 洞の底部を押し上げて骨増成する治療方法。サイナスとは上顎洞のこと。

・差し歯(さしば)

 虫歯等で歯冠を失った場合、残っている歯根を土台にして人工の歯冠 を被せる治療方法。

・歯垢(しこう)

 歯の表面に付着する白く柔らかい沈殿物。口の中の食べかすや糖分を エサに繁殖した細菌の固まりで、長期間経過すると歯石になる。歯垢、 歯石は放っておくと虫歯や歯周病の原因となるほか、硫黄酸化物や酸を 発生させて口臭の原因にもなる。歯垢は歯みがきである程度は落とすこ とができる。別名プラーク。

・歯根(しこん)

 歯の根にあたる部分。歯根と歯槽骨(あごの骨)とは歯根膜という繊 維状の組織によって結び付けられている。

・歯根膜(しこんまく)

 歯根と歯槽骨(あごの骨)とをつなぐ弾力性に富む組織。咀嚼時にか かる衝撃や圧力をクッションのように緩和するほか、髪の毛1本の細さ も感知する敏感なセンサーの働きもする。

・歯周病(ししゅうびょう)

 歯肉や歯を支えている骨などが溶けて最終的には歯が失ってしまう病 気。歯の周囲に付着した歯垢が歯と歯肉の隙間に入り込み、歯垢の中の バクテリアの出す毒素が歯周組織に炎症を起こす。進行すると、歯を支 えている骨(歯槽骨=あごの骨)が溶けて、膿が出たり歯がグラついてきて、最後には抜けてしまう。歯周病を患うと、特有の口臭が発生する。 国民病とも呼ばれ、35歳以上の人の8割は罹患しているといわれる。歯 周病があると、心臓血管系疾患や糖尿病などの全身疾患にも悪影響を与 えるほか、低体重児出産や早産などの原因となることがわかってきた。 歯周病はかなり進行しないと痛みなどの症状が出てこないので放置さ れ、進行してしまう場合が多い。早期の治療が大切である。

・歯槽骨(しそうこつ)

 歯を支えている骨のこと。ただし、歯槽骨という独立した部位はなく、 あごの骨のこと。「歯槽」とは、歯を入れ置く槽という意味。

・歯肉炎(しにくえん)

 歯肉(歯ぐき)が赤く炎症を起こし、腫れた状態。歯みがき中に出血 したりする。この段階であれば口腔内をクリーニングし、毎日丁寧なブ ラッシングすれば完全に治癒する。

・上部構造(じょうぶこうぞう)

 インプラントの上に被せる人工歯のこと。

・人工歯(じんこうし)

 インプラントの上に被せる人工歯のこと。(=歯茎から出る部分)

・セラミッククラウン

 セラミックとは耐久性と強度に優れた陶材で、金属アレルギーの心配が いらないというメリットを持つ。色調を調節することができるので他の歯 の色と合わせることも可能で美容歯科・審美歯科で最もよく使われている。

・ソケット・リフト

 特殊な器具を用いて上顎洞の底部を押し上げてインプラントを埋入す るための骨量を確保する技術のこと。

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た行

・チタン

 軽くて強度があり、耐食性に富む金属。人体との親和性が高く、金属 アレルギーを起こさない。インプラント体や義歯の材料等に使われるほ か、ペースメーカー、骨折時の治療にチタンボルトなどに使われている。

・トップダウントリートメント

 患者さまが求める審美性と機能性を兼ね備えた仕上がりになるよう理 想的なインプラントの埋入位置を最初に決め、その位置に持ってくるた めにはどうするかを考えていく方法。その部位のあごの骨の厚みがなけ れば骨増成して厚みを出し、高さがなければ骨移植などをして高くし、 理想の位置にインプラントを埋入できるようにする。骨移植法などの発 達に伴い、浸透しつつあるインプラント治療のコンセプト。

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は行

・ブリッジ

 架橋義歯。欠損部分を補う固定式の補綴物。失った歯の両隣の歯を削っ て、全体にワンピースの金属冠をかぶせて完成する。支えている歯に負 担がかかるため、長期的な使用は難しい。

・補綴物(ほてつぶつ)

 歯を削った部分や失った部分を補う技工物のこと。詰め物や金属冠な どの被せ物、義歯などの総称。

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ま行

・無歯顎(むしがく)

 全く歯がないあごの状態。

・鎮静状態での治療(むつうちんせいほう)

 静脈内点滴に催眠鎮静導入剤を少量投与することにより、あたかも 眠ったような夢心地の状態になり、痛みはもとより、不安や恐怖感など を感じずに手術が受けられる麻酔法。全身管理下において、術中の心電 図、脈拍数、血圧、酸素飽和度等の生体情報をモニターで測定・監視しな がら安全に行われる。

・滅菌(めっきん)

 微生物を殺菌または除外することで無菌の状態にすること。歯科医で も滅菌専用機械を使用して器具などの滅菌を行って治療に当たっている。

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英字

・CT(シーティースキャン)

 Computerized tomography。コンピュータ断層撮影法のこと。X線と コンピュータを使って、検査を行いたい場所(身体)を撮影し、輪切り の断層画像として観察・診断する装置・技術のこと。

・GBR(骨誘導再生)

 GBR法とは、欠損した骨組織を再生させる治療法。

・PMTC

 Professional Mechanical Tooth Cleaningの略称で、歯科医が行う口腔内 クリーニングのこと。普段の歯ブラシでは取れない汚れや歯石等を専門 的な器械を使って徹底的に落とし、口腔内の清掃を行うこと。定期的に 行うことで口の中を常に良好に保つことができむし歯や歯周病の抑制に 効果的である。

・オール・オン4(オールオンフォー)

 手術をしたその日のうちに固定性の仮歯が入れられる超スピーディな インプラント。無歯顎の方のための治療法。オール・オン4では通常4本 のインプラントを用いるが、4本のうち両側の2本を口の奥の方(喉側) に傾斜をつけて埋める。これにより4本のインプラントで台形を形づく るため、非常に倒れにくい丈夫な構造になるため、その日のうちに固定 式の仮歯を入れて噛むことができる。


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